まるで肉筆のような毛筆フォント「かづらき」が美しい


プロポーショナルかな書体 かづらき

藤原定家の筆跡をヒントにデザインされた、Adobeの「かづらき」というフォントがステキでしたのでご紹介します。

デザインの幅を広げようと思い、いろいろなフォントを見ていたところ、Adobeの「かづらき」(Kazuraki SP2N L)というフォントに出会いました。
2010年に最初のバージョンがリリースされており勉強不足がバレてしまいますが、ステキでしたのでご紹介します。

「かづらき」は鎌倉時代の歌人、藤原定家の筆跡をヒントにデザインされたそうです。デザイナーは「りょうゴシック」などで有名な西塚涼子氏です。
一般的には仮想ボディという正方形のグリッドにあわせてデザインされますが、「かづらき」ではこのグリッドにとらわれず一字一字自由にデザインされており、ただ流し込むだけでもまるで肉筆のような筆の流れが感じられます。
また、欧文では一般的ですが、日本語としては珍しい合字が導入されているので、「として」や「こと」など連続した筆致をより美しく表現することができます。

組み見本

合字は53種類用意されています。
下の画像は合字の一覧です。(Kazuraki SP2Nグリフ一覧PDFより抜粋)

合字一覧

基本的にはかな書体ですが、かな、カナ、約物・記号類、欧文と1,483字の限定的な漢字を含んでいます。※
挨拶状や和食メニュー、見出しとしての用途を強く意識されているようで、含まれている漢字もそういった場面で使用される文字を中心にピックアップされているそうです。

アドビストアで5,000円で購入可能です。
USサイトではなぜか35ドルとリーズナブルな価格設定になっていますが、日本からは購入できないようです。

※現在のバージョンは「SP2N L」ですが、過去の「SPN L」は漢字が1,082字。
Adobe CS5のユーザー登録特典として「SPN L」がダウンロードできたようなのですが、私の場合はそもそも「りょうゴシック」だったような…。